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いきなり多次元の問題にすると、イメージを掴みにくい。とりあえず、1次元の問題について考える。
について積分演算子
を次のように定義する。

ここで、ルーベルグ積分の定義から、

と置けることに注意しよう。

これを用いると、

つまり、

が成り立つ。よって積分演算子は有界□
として、
とすると、

よって
を積分した関数は
のHolder連続である。
空間は連続関数を
ノルムで完備化したものである。それゆえに一般的に微分可能とは限らない。ここで、微分の概念を一般化した、弱微分を導入する。
に関して、
![\int_a^b f'\psi dx=-\int_a^b f\psi'dx\quad\quad\forall\psi\in C_0^1[a,b] \int_a^b f'\psi dx=-\int_a^b f\psi'dx\quad\quad\forall\psi\in C_0^1[a,b]](6261736973206F6620536F626F6C6576205370616365_eq0016.gif)
が成り立つ場合、
は
の弱微分と呼ばれる。
が連続関数であるとする。このとき、積分はリーマン積分となるので、
の(弱微分ではない)微分が可能であり、
![(Jg)'=g\in C[a,b] (Jg)'=g\in C[a,b]](6261736973206F6620536F626F6C6576205370616365_eq0021.gif)
となる。微分が連続であるから
であることが分かる。
よって
について
の微分のリーマン積分が可能であり、
![\int_a^b\{Jg\psi\}'dx=\[Jg\psi\]_a^b=0\\\quad\quad=\int_a^b (Jg)'\psi dx+\int_a^b (Jg)\psi' dx \int_a^b\{Jg\psi\}'dx=\[Jg\psi\]_a^b=0\\\quad\quad=\int_a^b (Jg)'\psi dx+\int_a^b (Jg)\psi' dx](6261736973206F6620536F626F6C6576205370616365_eq0026.gif)
よって、
![\int_a^b g\psi dx=-\int_a^b (Jg)\psi' dx\qquad\qquad\forall \psi\in C^1_0[a,b] \int_a^b g\psi dx=-\int_a^b (Jg)\psi' dx\qquad\qquad\forall \psi\in C^1_0[a,b]](6261736973206F6620536F626F6C6576205370616365_eq0027.gif)
が成り立つ。よって
の弱微分もまた
である。□
について、弱微分を用いて

となる。
空間は
を
ノルムについて完備化したものだった。
については、前の証明より弱微分と強い微分は等しい。そこで積分作用素
の連続性と
が
で稠密であることを用いて、これを
について拡張する。
をノルム
における任意のCauchy列であるとする。
空間は
空間を完備化したものだったから、
は
内に極限
を持つ

積分演算子の有界性から、

よって

となる。

よって
とすると、
が成り立つ。
つまり
の弱微分は
である。□
弱微分が0であるから、
![\int_a^b f\psi' ds=0\quad\forall \psi\in C^1_0[a,b] \int_a^b f\psi' ds=0\quad\forall \psi\in C^1_0[a,b]](6261736973206F6620536F626F6C6576205370616365_eq0055.gif)
が成り立つ。よって、上が成り立つような
は定数であることを示せばよい。
まず、
が次のような定数
であると予測を立てる。

この定数
は
が成り立つ
題意を満たすためには
が0であることを示せばよい。証明の方針としては、
が任意の連続関数と直交することを示した後、連続関数の空間が
関数の空間で稠密であることを利用して、任意の
関数と直交することを示す。全ての
関数と直交する
関数は0である。ので
がいえる。
さて、
を任意の連続関数としよう。この時、

は
関数であり、その微分は
である。

よって任意の連続関数と
は直交することがわかる。
さて、連続関数は
空間の中で稠密であったから、任意の
に対して、
に収束する連続関数のCauchy列
が存在する。

よって右辺はいくらでも小さくできるので、
が成り立つ。

よって
が成り立つ。つまり、
、
は定数である。□
の弱微分
が存在して、それらが
空間に含まれるとする。このとき、

で定義されるような内積を持つような空間をソボレフ空間という。
ソボレフ空間の任意の要素
は次のように定数
と
を使って次のように書くことができる。

とすると
の弱微分は
であるから、
である。
これを用いて、任意の
について、
の弱微分
であるから、
が成り立つ。
つまり
の弱微分は0。
前の問題より、弱微分が0ならば、定数であった。よってある
が存在して、

となる。つまり任意の
は、実数
と
を用いて

のように表すことができる。□
関数を積分したものは
のHöler連続であったから、ソボレフ空間の任意の要素もまた
のHöler連続である。
空間が
空間の中で稠密であることを示そう。
任意の関数
について、それに収束する関数のCauchy列
があればいい。
さて、任意の
の関数
は

のように表すことができた。但し、
の弱微分
とすると、

ここで、
空間は
空間を完備化したものだから、
に対して,ある連続関数の
ノルムに関するCauchy列
が存在して

となる。ここで、次のような関数列
を考える


よって
もCauchy列である。さて、

よって
は
空間で
に収束する。任意の
に対して、収束するようなCauchy列
が存在するので、
空間は
空間で稠密であるといえる。□
空間内の関数で境界で0となるような値を取る関数が作る部分空間を
とかく。このとき
に対して、弱微分を
のように表すと、

が成り立つ。ここで
は領域の大きさ
にのみ依存するパラメータ
任意の
に対して、

と表すことができた。
を弱微分であるとすると、
となる。
のとき
である。これから、

がいえる。よって、

が成り立つ。また、このとき、

も成り立つ。□
次のような方程式を解くとする。

このままでは
には2階微分が可能であることが要求され、右辺
によっては解が存在しない場合がある。
さて、上の方程式を直接解く代わりに、次のような方程式を解くことを考える。

但し、
、
であるとし、
は
の弱い微分であるとした。右辺がソボレフ空間の内積になっていることに注意されたい。
ここで、
は次で定義される
の線形関数であるとする。

これを用いて書き換えると

のようになる。

であるから
は
空間で有界関数である。よってReiezの定理より解
が存在して唯一定まる。
距離空間、ノルム、線形写像、直和、零空間、作用素、ヒルベルト空間、完備、バナッハ空間
| Functional Analysis | Kosaku Yosida 著 |
| Functional Analysis in Applied Mathematics and Engineering | Michael Pedersen 著 |
| ヒルベルト空間論 | 保江邦夫 著 |