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に対して、次の(I)(II)の性質を持つ
の集合をレゾルベント集合といい、
と表す。
が可逆
が有界
のうちレゾルベント集合に入らないものをスペクトルといい、
と表す。
について、次のような、
と
が存在するとき、
は
の固有値と呼ばれる
は固有ベクトル、固有関数などと呼ばれる。
がノルム空間とし、作用素
が線形であるとすると、全ての固有値はスペクトル
に含まれる。
が有限次元ノルム空間であり、作用素
が線形だとすると、スペクトル
と固有値の集合は等しい。
がバナッハ空間であり、
であるとする。
レゾンベルト集合
が開空間であることを示す。
として、全ての

を満たす
は、
であることを示す。
バナッハ空間においては
であるためには、
が可逆であることを示せばよい。

ここで、
とおく。

よって
は可逆。
は可逆であったから、
も可逆であり、

が成り立つ。よって補空間が開空間であるからスペクトルは閉空間である。□
がスペクトルなら、
であることを示すためには
ならば
であることを示せばよい。つまり
が可逆であることを示せばよい。
とおくと、

より
は可逆である。よって
は可逆で

となる。以上から
となり、題意は証明された。□
もし、
が自己共役ならば、

となる。
まず、
を示し、次に
を示すことで証明する。
のとき、
よって
は明らか
次に、
とおき、
に対して
を示す。
ここで、
とおくと、


さて、
、
と置く。
、
を上に代入して


よって、上二式の和を計算して、

が成り立つ。中線定理より、


これを上に代入すると

がいえる。
以上から

となる。□
上の有界線形作用素
がなんらかの複素数
と規格化された点列
に対して
を
の近似固有値という
自己共役作用素
は
か
の近似固有値を持つ。
として、ある列
が存在して、
か
について、

であることを示せばよい。
前の定理より、
であったから、ある列
が存在して、
とすることができる。

ここで
とおけば、右辺は幾らでも小さくできるので
となる。
よって題意は証明された□
完全連続な自己共役作用素
は
か
の固有値を持つ。
前の定理から自己共役作用素
は
か
の近似固有値を持つことが分かる。つまり、ある
が存在して、

となる。
が完全連続作用素であるので、前の定理より
は
が収束する部分列
を含んでいる。さて、ここで
を
となるように選びなおす。また、
が
に収束するとする。

であるから

となる。

よって
となることから、
は固有値となる。□
をヒルベルト空間として、
を完全連続な自己共役作用素とする。この時、次のような、1次元部分空間への正射影演算子と実数が存在する。


ここで、
は有限な場合も無限な場合もある。つまり
か
である。


が成り立つ。さらに
が無限に存在する場合は
となる。
をヒルベルト空間として、
を完全連続な自己共役作用素とすると、固有値
と正規完全直交系
が存在して

となる。さらに
が無限に存在する場合は
となる。
をヒルベルト空間として、
を完全連続な自己共役作用素とする。次のような、
を固定して
を求めるような方程式を考える

(a)もし、
が
の固有値でないなら、全ての
に対して唯一の解
が存在して、次のように与えられる。

但し、
は、最大正規直交系
を使って、次のように与えられる。

また、
は
に対して連続に与えられる。
(b)もし、
が
の固有値なら、
の場合に限り、解
は次のように与えられる。

ここで
は任意の解で、
は固有値
に対応する固有値空間
の基底である。
距離空間、ノルム、線形写像、直和、零空間、作用素、ヒルベルト空間、完備、バナッハ空間
| Functional Analysis | Kosaku Yosida 著 |
| Functional Analysis in Applied Mathematics and Engineering | Michael Pedersen 著 |
| ヒルベルト空間論 | 保江邦夫 著 |