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がノルム空間とし、作用素が線形であるとすると、全ての固有値はスペクトルに含まれる。
が有限次元ノルム空間であり、作用素が線形だとすると、スペクトルと固有値の集合は等しい。
がバナッハ空間であり、であるとする。
レゾンベルト集合が開空間であることを示す。
として、全ての
を満たすは、であることを示す。
バナッハ空間においてはであるためには、が可逆であることを示せばよい。
ここで、とおく。
よっては可逆。は可逆であったから、も可逆であり、
が成り立つ。よって補空間が開空間であるからスペクトルは閉空間である。□
がスペクトルなら、であることを示すためには
ならばであることを示せばよい。つまりが可逆であることを示せばよい。とおくと、
よりは可逆である。よっては可逆で
となる。以上からとなり、題意は証明された。□
もし、が自己共役ならば、
となる。
まず、を示し、次にを示すことで証明する。
のとき、
よっては明らか
次に、とおき、に対してを示す。
ここで、とおくと、
さて、、と置く。、を上に代入して
よって、上二式の和を計算して、
が成り立つ。中線定理より、
これを上に代入すると
がいえる。
以上から
となる。□
自己共役作用素はかの近似固有値を持つ。
として、ある列が存在して、かについて、
であることを示せばよい。
前の定理より、であったから、ある列が存在して、とすることができる。
ここで とおけば、右辺は幾らでも小さくできるのでとなる。
よって題意は証明された□
完全連続な自己共役作用素はかの固有値を持つ。
前の定理から自己共役作用素はかの近似固有値を持つことが分かる。つまり、あるが存在して、
となる。が完全連続作用素であるので、前の定理よりはが収束する部分列を含んでいる。さて、ここでをとなるように選びなおす。また、がに収束するとする。
であるから
となる。
よってとなることから、は固有値となる。□
をヒルベルト空間として、を完全連続な自己共役作用素とする。この時、次のような、1次元部分空間への正射影演算子と実数が存在する。
ここで、は有限な場合も無限な場合もある。つまりかである。
が成り立つ。さらにが無限に存在する場合はとなる。
をヒルベルト空間として、を完全連続な自己共役作用素とすると、固有値と正規完全直交系が存在して
となる。さらにが無限に存在する場合はとなる。
をヒルベルト空間として、を完全連続な自己共役作用素とする。次のような、を固定してを求めるような方程式を考える
(a)もし、がの固有値でないなら、全てのに対して唯一の解が存在して、次のように与えられる。
但し、は、最大正規直交系を使って、次のように与えられる。
また、はに対して連続に与えられる。
(b)もし、がの固有値なら、の場合に限り、解は次のように与えられる。
ここでは任意の解で、は固有値に対応する固有値空間の基底である。
距離空間、ノルム、線形写像、直和、零空間、作用素、ヒルベルト空間、完備、バナッハ空間
Functional Analysis | Kosaku Yosida 著 |
Functional Analysis in Applied Mathematics and Engineering | Michael Pedersen 著 |
ヒルベルト空間論 | 保江邦夫 著 |